●入院→退院→入院→退院
2019年の6月、自宅で急に立てなくなったKさん(当時70歳)。那覇市立病院を緊急受診して、診断結果は低ナトリウム血症。そのまま入院となり、主に点滴治療をされていました。7月にオリブ山病院に転院しリハビリ生活。約3ヶ月近くの入院生活を終え、無事退院。しかし、退院後はなかなか外に出ることは出来ず筋力低下。リハビリが必要とのことでリハビックスへの通所が決まりました。そんな矢先、転倒により右大腿部を骨折し再び入院生活へ。退院後は更に筋力の低下が認められ、長い時間立つことができなくなり、ご自身で料理をすることも出来なくなりました。元々レストランで働いていたこともあり、料理は好きだったそうですが、突然当たり前に行っていたことが出来なくなったことに戸惑い、とても落ち込んでいました。ですが、リハビックスへの通所を続ける中で、他の利用者様との関わりを重ね、徐々にではありますが表情も豊かに。「また料理が出来るようになりたい」と前向きな気持ちも聞かれ、そこから本格的なリハビリがスタートしました!
●訓練は実践的に♪
訓練は、セラピーパテというリハビリ用の粘土を用いて、立位での疑似動作訓練を20分。最初は5分立ち続けるのも困難でしたが、料理がしたいという気持ちと他の利用者様の励ましの言葉もあり、気づけば、腰の痛みを忘れてしまうほど没頭して訓練を行うようになりました(この訓練の時は普段よりも笑顔や会話が多く、他の利用者様も羨ましそうにされています)。
●実際に料理を
訓練の集大成として、実際にポークたまごを作ってもらいました。包丁で切る動作から焼く動作、実際に盛り付けまで行ってもらいました。ずっと立位で実施したにも関わらず、支えや手助けもいらないくらい安定していて、立派なポークたまごもが完成しました。ご本人様も料理が作れたことやスタッフが『美味しかったよー』と声かけるととても嬉しそうな様子で、「ポークたまごは私が作る係だよ!」と自信ありげにお話されていました。また、ご家族様にも料理している様子の写真を見せたところ、安定して料理が作れたことにも驚きつつ、「今後、家でも料理出来る機会を作ってみます」と嬉しいお言葉を頂くことが出来ました。
●大好きな家族のために…
大きな怪我を乗り越え、目標である料理を作ることが出来たKさん。今後の目標について聞くと「息子はとんかつが大好きだから、とんかつを作ってあげたい!」と話されていました。次の目標を実現させるため、休まず笑顔で訓練に励まれる姿は他利用者様のみならずスタッフにもとてもいい刺激になっています。現在、ポークたまごを作ることは可能になりましたが、とんかつとなると料理の工程を考えてもキッチンに立つ時間や安定性が更に必要になってきます。そのためにも、持久力向上が必須なのですが、休みの日も娘さんと運動公園で歩行訓練を行っているそうで、目標に向かって家族みんなでとても頑張っておられます。病気や怪我を経験してしまうと、あれだから出来ない等、出来ない理由を探しがちですが、目標に向かってできる方法を模索したり、できることを1つずつ増やしていく支援が大事だなということをKさんのサポートを通して改めて感じました。実際の料理訓練のあとも「みんなのためにもとんかつ作りたいから待っててね!」と前向きな言葉もきけましたので、今後のKさんに期待したいと思います。
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