●受け止めて、前へ
4年前、てだこウォークの史跡ポイントガイドの打ち合わせ中、Oさんに異変が起きました。持っていた資料が落とす・・・コップが掴めない・・・等の症状が現れたのです。出席者の中に病院関係者がいたため、「様子がおかしい、すぐに救急車を!」と浦添総合病院へ搬送されました。診断は右視床出血。早めの対応だったため手術はせず、薬物での対処となりましたが、左半身に麻痺が残りました。
病気になる前のOさんは、上述した通り、地域の歴史ガイドを務めるなど地域との関わりも深く、それ以外にも、盆栽の手入れ、日曜大工、パソコン作業などの趣味を持ち、奥様曰く「なんでもバリバリこなしていた方」でした。そんな生活が、病気により180度変わりました。はじめは、自分で出来る事がなく、すぐイライラし、奥様にあたってしまうなどの悪循環に陥ったそうです。しかしながら、変形性膝関節痛を抱えながらも、食事を含め献身的に自分を支えてくれる奥様のためにも、「自分の足でしっかり歩けるようリハビリを頑張ろう」と思うようになっていったそうです。
●リハビックスでのリハビリ
その後、リハビリを強化するため、リハビックスの通所が始まりました。当初は歩行時のバランスの悪さやふらつきもみられましたが、意欲的なリハビリ活動により徐々に歩行が安定してきました。
●諦めていた事を再び!
リハビリが進むに連れ、Oさんは「移動手段として使っているタクシーでの生活がきつく感じるんだよね」とお話されるようになってきました(身支度を間に合わすのが大変、時間通りに来ない等の理由により)。また、車の免許を持っていない妻のためにも再び運転を再開できないものかと考えるようになりました。主治医の先生や息子さんに相談するも「止めたほうがいい」と言われだけ・・・が、どうしてもあきらめきれず、Oさんは、「車の運転をする!」を目標にすることを意思決定しました。
まずは、車庫を使っての前進+バックを繰り返す練習からスタート。その後、自宅に面する道路へ。最初のうちは平衡感覚がおかしくて、車が左により、側面を擦ることもありましたが、半年間練習を繰り返し、感覚を取り戻していきました。そして、車で5分の浦添大公園駐車場までの往復練習ができうるようになり、今では生活圏内は自動車を使って移動できるようにまでなりました。
●Oさんが伝えたい事
今では膝に痛みを抱える奥様を病院へ送迎したり、買い物に出かけたりと忙しくしているOさんですが、免許更新の時期は不安な気持ちになったそうです。まず、所轄の警察署に相談へ行くと「主治医の診断書を持ってきてください」との事。主治医からの診断書をもらい、それから公安委員会へ。公安委員会では運転適正相談、認知機能検査、運転適正検査など複数の検査がありました。公安委員会は「条件を満たす人には免許を」というスタイルでした。Oさんは行政も頑張ってくれているんだな感じたそうです。ありがたいという感謝の気持ちがうまれたそうです。そして、無事、今までに取得した大型一種、二種免許と共に普通免許の更新を終えることができ、安堵の表情を浮かべられていました。この経験を通して、Oさんは、同じ環境下で苦しんでいる同世代の方には「努力次第で免許更新もできる。引きこもらずに何事もトライして欲しい。」といった思いがうまれたそうです。
●スタッフの声
・ご自分で車の運転をしたり、歴史ガイドのボランティアをしたりと精力的に活動されていてすごいなと思います。私も負けちゃダメだなと思わせてくれる存在です。
・知りたい!というの気持ちが芽生えるとすぐに行動に移すところが素晴らしいと思います。私たちもとても刺激となります。
・「自分自身で常に目標を掲げ、それに向かって頑張っている姿はとても誇りに思います。頑張り過ぎには気をつけて行きましょう!
・他の利用者さんとのコミュニケーションや周りへの気配りを見て、いつも感心しています
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