デイサービスの取り組み−「転倒しないためにどうするか?」だけでなく「転倒したらどうするか?」を考えてみる−

●転倒・・・

 今回は、立ち上がり動作訓練についてご紹介致します。

 ある日、一人の利用者さんから「外出した際、バランスを崩して転倒してしまった・・・」と報告がありました。その時の様子を詳しく聞くと、転んだ後、一人で立ち上がることができず他の人が来るまで待っていたそうです。ようやく通りすがりの人に手伝ってもらい立ち上がることができたのだそうです。幸い怪我は無かったようですが、その出来事がキッカケで、その利用者さんから「もし同じように転倒したら、自分一人で立ち上がれるのか?が心配(恐怖)で、中々買い物にいけないの・・・」とのご相談がありました。
 その相談を受けた時、あることに気がつきました。今まで転倒しない為にバランス力訓練、筋力強化 訓練などを行い、「転倒しない身体作り」を目指していましたが、利用者さんからすると、転んだ後の動作に不安があるから外出機会が必然的に減ってきているのだと。案の定、その他の利用者さんからも「転んだ後、一人で立ち上がれなかったら迷惑をかけるから友人に会いに行けなくなった。」「転倒が怖くて外に遊びにいく自信がなくなった。」などの声が聞かれました。

●取り組み

 そこで、「転倒しないためにどうしたら良いのか?」だけでなく、利用者さんへ立ち上がる技術を習得してもらい、自信をつけてほしいとの思いから、「転倒した後の動作」に目を向けることにしました。
 まずは、相談を受けたS様から実際に転倒したことを想定し、一人で床から立ち上がる動作訓練を行いました。そうすると、それを見ていた他の利用者さんからも「私も教えてほしい」と声が上がり、多くの方が取り組んでいきました。
 私たちからは「なぜ、立ち上がりが難しいのか?」という問いを投げかけ、単に力が弱っているだけではなく、床から立ち上がる際の身体の向きや力を入れる方向などを忘れてしまっていることが動作を困難にしていることをお伝えしました。また、立ち上がり動作を因数分解し、それぞれの身体状況に応じてどういう部分に課題があるかをアドバイスしたり、様々な環境下でも対応できるように、椅子や台・レッドコードなどを使って訓練を実施しました。

 その結果、実際に立ち上がり動作に自信がつき、外出機会が増えた方も出てくるようになりました。

●この訓練を通して

 今回の訓練は利用者さんの声からスタートしました。その結果、私たち自身も、転倒後を想定した訓練を実践することで利用者さんに自信がつき、次のステップに繋がることを改めて気付かされました。やはり利用者さんの声に耳を傾けることがすごく大事であり、引き続き実践していこうと思います。
 また、この訓練を通して、「友人と一緒に外食を楽しむことができた。」「1人で近所のスーパーに買い物ができる様になった。」「外出への自信がついた。」と利用者さんの声が聞こえました。あるご家族からは「床からの立ち上がる動作を動画で提供してくださり、実際にどのようにして立ち上がるべきなのかを教えてくれるので、とても勉強になりました。」と非常に嬉しいお言葉をいただけました。スタッフ一同良い経験ができたと感じています。

●今後に向けて

今後も利用者さんの「希望」を一人でも多く引き出し、その人らしく生きるサポートをしていきたいと思います。今後ともリハビックスをよろしくお願いします。


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