こんにちは、てっぺい(@teppei_bestlife)です。
突然ですが、デイサービスを開業する際、「どの加算を算定すべきなの???」と悩んだことはありませんでしょうか。もちろん資金的に余裕があれば手厚い人員を配置して全ての加算を算定すれば良いのですが、お客さんゼロの状態でそれをやるのはナンセンス。できるだけ必要最小限の人員でスタートする経営者さんの方が多いのが実情だと思いますし。
僕自身もそうで、これまでデイサービス13店舗、自費リハビリ施設2店舗、訪問看護ステーション2店舗の立ち上げに関わってきました。2021年度は3つのデイサービスを開業。
その中で意識していることはなるべくコストをかけずに最小資源(ヒト・モノ・カネ)でデイサービスを開業することです。まさに小さくはじめて大きくする。
※モノ(コストダウン)に関してはこちらに記事を書いていますのでぜひお読み下さい。
そういう観点でいくと、加算というのはヒトと関係していますので、今日は、僕自身が開業時にまずは最低限算定すべきだと考えている加算についてお伝えしたいと思います。
- 算定すべき加算「個別機能訓練加算」
- 算定すべき加算「口腔機能向上加算」
- 算定すべき加算「サービス提供体制強化加算」
- 算定すべき加算「LIFE関連加算」
- 算定すべき加算「介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員処遇改善支援補助金」
- 最後に
①算定すべき加算「個別機能訓練加算」
デイサービスをやる場合、人員配置上、必ず機能訓練指導員を1名以上配置しなければなりません。そもそもデイサービスに対して国が期待していることに「機能訓練を行うこと」が入っている以上、個別機能訓練加算を算定することは必須条件だと考えています。
「私のデイサービスはゆっくり過ごしてもらいたいので機能訓練とかはやらないんです!」という方針の方もいますが、そういう方はデイサービスという事業が税金で成り立っているということ改めて考えた方が良いと思います。
個別機能訓練加算は2021年4月以前は個別機能訓練加算1と個別機能訓練加算2に分かれていましたが、2021年の法改正で個別機能訓練加算1イと個別機能訓練加算1ロになりました。両方の加算を算定することができません。どちらかを選ぶ形です。
点数は1イが56単位/日、1ロが85単位/日となります。どちらを算定してもやることは同じなので、1ロを算定したいところですが、1ロを算定するためには機能訓練指導員が2人必要となってきます。ですので、開業時に機能訓練指導員1人の場合は1イを算定という形で良いと思います。利用者さんが増え、人員を追加した時点ですぐに1ロに変えれば良いので。
ただし、1ロを算定する場合はしっかりと収益シミュレーションをしてください。1イと1ロの差額は29単位です。仮に1単位10円とすると290円。月給25万円の機能訓練指導員をこの加算算定のためだけに採用した場合、25万円÷290円=862回の延べ利用者で算定してトントンなのです。862回って22営業日だとしても1日39人。1日39人がこの加算を算定してトントンなんです。そう考えると、この1ロを算定するためだけに人を採用してはダメですね。
もし開業時に機能訓練指導員1人と看護師がいるのであれば1ロを算定しましょう。
*個別機能訓練加算に関してもう少し細かく知りたい方はこちらをご覧ください。
②算定すべき加算「口腔機能向上加算」
僕は開業時から必ず看護職員を配置して口腔機能向上加算を算定するようにアドバイスしています。理由はいくつかあります。
こういう理由から開業時から算定すべき加算の一つだと考えています。なお、口腔機能向上加算は下記の通り1と2があります。
2を算定するためにはLIFEへ情報を入力するという手間が発生します。が、僕自身は将来を見据えて、これはやるべきだと考えています。詳細は科学的推進加算の部分でお話しますが、将来的にはLIFEへの入力が必須になるんじゃないかと予想しています。そうなった時にスタートするのは大変。従業員からの反発もあるでしょうし。多少なり点数も上がりますので、口腔機能向上加算2を算定しましょう。
③算定すべき加算「サービス提供体制強化加算」
えっ!?この加算って開業から算定できるの?と思ったあなた!さすがです!
サービス提供体制強化加算は介護福祉士の配置を強化して基準を満たした事業所が算定できるもので、毎年4月から2月の実績をもとに届出をし、翌年の4月以降算定を開始します。しかしながら、開業時だけは特別ルールがあり、開業3ヶ月に配置基準をクリアすれば4ヶ月目から算定できるのです。ですので、開業時はチャンス!!!
サービス提供体制強化加算は1・2・3の3区分あり、要件は下記のようになっています。
僕らのデイサービスでは介護職員は必ず介護福祉士資格を保有している人を採用するので、基本的にはサービス提供体制強化加算1を算定します。介護職員が1人であれば100%ですからね。ただし、介護職員処遇改善加算の兼ね合いで数名の方を介護職員兼務で採用することもありますので、70%もしくは50%を超えるように配置できるかどうかは少し頭を使う必要があります。
また、このサービス提供体制強化加算の1もしくは2を算定しているか否かで介護職員等特定処遇改善加算の1もしくは2を算定できるかが変わってきます。通所介護の場合、サービス提供体制強化加算の1もしくは2を算定していれば特定加算1(=1.2%)が算定でき、そうではない事業所は特定加算2(=1.0%)となります。0.2%されど0.2%。
こういう細かい数字の積み重ねが経営する上では大切になってきますので、4ヶ月目からサービス提供体制強化加算の1もしくは2を算定し、特定を1に変更して算定するのがベストだと考えています。
④算定すべき加算「LIFE関連加算」
2021年の法改正で最も話題になったLIFE。介護もデータの時代が到来です。個人的にはデータをとっていくのは賛成。ただし、数字で測れない部分をどうしていくか?は議論が必要かなって感じます。身体機能の向上は認められないけど、サービスを利用することによって“人生のhappy度が上がる”なんていう事例はいくつもありますので。
とはいえ、これは国が力をいれて取り組んでいこうとしている部分なので、次の法改正を睨むと必ず算定しなければならないと考えています。入力作業等、大変なことは重々承知しているのですが・・・。
ということで、科学的介護推進体制加算(40単位/月)・個別機能訓練加算Ⅱ(20単位/月)は開業時に算定すべき加算でお願いします。
⑤算定すべき加算「介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員処遇改善支援補助金」
介護職員の賃金改善を目的として創設されている加算が3つあります。それが介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員処遇改善支援補助金。最後に書いた支援補助金だけは2022年10月以降、別の形になりますが、いずれにしてもこの加算を取らない理由は僕には見当たりません。
だって、それぞれの上位区分をかけあわせると、処遇改善加算5.9%、特定加算1.2%、支援補助金1.0%の合計8.1%ですよ。売上300万円であれば300万円×8.1%=324万円になるんです。8.1%売上を積み上げようと思ったらどんだけ頑張らなくちゃいけないんでしょう。利益で考えたらやばい数字です。
書類がめんどくさい、全額従業員の処遇改善に充てなければならないなどのデメリットはありますが、それを差し引いたとしても十分にメリットのある加算だと思います。従業員の給与アップのためにもぜひ算定しましょう。もし算定に関してめんどくさい・不安などの悩みがある方はぜひ下記の記事もご覧ください。
僕が代わりにサポートしても良いですよ。手数料は頂きますがwww。処遇改善加算に関してもう少し詳しく知りたい方はこちらも参照下さい。
⑥最後に
以上の5つがデイサービス開業時に必ず算定したい加算です。デイサービスの運営は加算をどれだけ効率よく算定するかが肝です。ぜひ参考にしてみてください。
なお、ADL等維持加算は1年後から必ず算定したい加算ですのでその準備は忘れずにやりましょう。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。もし開業する上で悩んでいることなどがありましたらTwitter@teppei_bestlifeまでDMください。
*デイサービスを開業するまでの流れはこちらにまとめてあります。もしご興味があればこちらもご覧ください。