こんにちは、てっぺい(@teppei_bestlife)です。
突然ですが、介護タクシーについて正確に説明できる人っていますか?
おそらく多くの方が「介護が必要になったら使えるタクシーでしょ!?」ぐらいの知識ではないでしょうか。僕と同じように。ということで、このテーマの記事を書くことにしました。
僕らは沖縄県内で自費のリハビリ施設を運営していますが、ここで大きな問題となっているのが会員さんの送り迎えです。送迎サービスを行なっていませんので、ご家族に連れてきていただくのですが、中にはそれが難しい人もいます。
障害を持つと一番苦労するのが移動手段の確保だということをまざまざと実感させられます。そんな時に「介護タクシーは?」と思うのですが、なんだか相手の反応はイマイチ。こういう時のためにあるんでしょ?って思っても実際に使う人はほぼいない。
これは何かあるぞ!ということで調べてみました。介護タクシーについて気になっている方はぜひご覧ください。
- 結論!介護タクシーは使えるの?使えないの?
- そもそも介護タクシーって?
- 介護タクシーを利用する上でのハードル
- 僕のおススメ「福祉タクシー」
①結論!介護タクシーは使えるの?使えないの?
結論から申し上げますと、介護タクシーは便利であることには間違いないです!身体が不自由な人にとってはとても大切な移動手段だといえると思います。
ただ、介護タクシーを利用するためには様々なハードルがあり、正直すべての「身体が不自由な人」にとって便利か?というと疑問が残ります。そのため、個人的には「福祉タクシー」の方が使い勝手がいいなと思いました。
「え?なにそれ!福祉タクシーってなに?」って方もいますよね。大丈夫です。僕もこの記事を書く中ではじめて知りました。
ということで、次の章からは、介護タクシーや福祉タクシーの使用方法、料金は高いの?安いの?などなど気になる所を説明しくことにします。
②そもそも介護タクシーって?
実は「介護タクシー」なんて名前のものは法律上存在しません。そして「福祉タクシー」も同じです。通称なんだそうです。これだけでびっくりですよね。
もともと厚生労働省が平成15年4月の介護報酬改定で、「通院等のための乗車又は降車の介助」なるものを創設。適切なアセスメントに基づく居宅サービス計画(ケアプラン)上の位置付けがあることを前提に、要介護1以上の者に対し、通院等のために乗車前・降車後の介助を行った場合に算定することとする等、保険給付の要件・範囲を明確にし、その適正化を図るために誕生した「移動手段」のことを通称で「介護タクシー」と呼んでいるだけなのです。
なんか難しい説明ですよね。かみ砕いて説明すると、介護保険で要介護1以上の認定を受けた人に対して、生活する上で必要なこと(通院など)をするための移動手段に保険を適用させて安く移動できるようにしよう!ってことで出来たものです。
タクシーは3種類あるんだと考えるのが一番良いかと思っています。
1、普通のタクシー
2、介護タクシー
3、福祉タクシー(これを介護タクシーと呼ぶ人もいるのでややこしい。)
③介護タクシーを利用する上でのハードル
ハードル1:要介護1以上の人しか利用できない
そもそも介護保険は原則65歳以上(第一号被保険者)の方しか利用できません。それに加え、要介護1以上でなければ介護タクシーは使えません。
65歳以上の全人数に対する要支援・要介護認定者数の割合は約18%。そのうち要支援認定を受けている人が約5%、要介護認定を受けている人が約13%。ということで、そもそも介護タクシーを利用できる人は65歳以上の13%ぐらいしかいないということになります。
ハードル2:使用目的の厳しさ
そもそもですが、介護保険を使用するためには「その目的」が適正であるかどうかは重要なポイントです。税金ですからね。ということで、身体が不自由だからということでタクシー代わりに使えるかというとそんなことはなくて、以下のように目的がしっかりと決められています。趣味やプライベートな用事では使えませんのでご注意ください。
「日常生活上または社会生活上必要な行為に伴う外出」に該当するもの
1、通院(受診、リハビリなど)
2、本人自身が行く必要のある調整や買い物(補装具・補聴器・メガネなど)
3、選挙投票、公共機関における日常生活に必要な申請や届け出
4、預金引き下ろし
など
ハードル3:家族の同乗が不可
介護タクシーは家族の同乗が認められていません。そのため、家族は別の車両もしくは交通手段で追いかけることになります。車がない都心部に住む方や老老介護をされている方にとっては負担が大きいですよね。そもそも移動手段がないからタクシーを使いたいわけなのに・・・。
介護タクシーでは乗り降りの介助はしてもらえますが、(原則として)病院の中までは付き添ってくれません。介護度が高く、利用者1人では病院内の移動や手続きもできない状態であれば、運転手の付き添いが認められているようです。
いかがでしょうか?
上記以外にもケアプランに位置付けるなど様々なルールがあり、僕としては「気軽に」使用できるものではないなと感じました。しかし、メリットはあるはず・・・。ズバリ!値段!と言いたいところですが、値段的なメリットもあまりありません。なぜなら、運賃部分は介護保険の適用にならず、保険適用になるのは介助料金部分のみ(通常500円ぐらい)だからです。
例えば、ある方が病院まで介護タクシーを使ったとします。そして、メーター料金が1000円+介助料500円だった場合、介助料の500円は1割負担の50円になるので1050円になるというわけです。この450円のためにケアプランに位置付けるのもめんどくさいですよね。頻繁に使う方であれば別ですが。
④僕のおススメ「福祉タクシー」
そこでおススメしたいのが「福祉タクシー」です。なんだそれ?ってなりますよね。福祉タクシーと介護タクシーはほぼ変わりません。介護タクシーの介護保険を使わないバージョンが福祉タクシー。
言い換えるとすると、福祉タクシーとは乗り降りの介助などを有料サービスとして行っている普通のタクシーということですね。もちろん車椅子のまま乗れる福祉タクシーもたくさんあります。
こちらは完全にビジネスなので、年齢や介護度も関係なし。もちろん使用目的も自由で、家族の同乗もOKです。また福祉タクシーは各県に少なからず存在し、ネットなどで検索すれば簡単にチャーターすることも可能でした。しかしデメリットはあります。1つはやはり料金ですね。福祉タクシーは完全な民間業者ですので保険は使用できません。しかし、法外な高さではなく通常タクシーにプラスして500円~1000円ほどで、たまに私用で使いたいという程度ならそこまで負担にはならないかな?と思いました。
「いやいや私は介護タクシーを利用したいんだ!」という方は・・・
介護タクシーは「介護保険」のプランで必要となった場合に使用できます。また、県や自治体により利用できるか出来ないかも分かりません。そのため、まずはケアマネージャーさんに相談してみるのがいいと思います。頻繁にタクシーを利用する方にとってはコストメリットはあると思いますので、ぜひ相談してみてください。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。今回、介護タクシーについて色々と勉強してみましたが、やはり世の中には知っているようで知らないこと、勘違いしていることがたくさんあるなと感じました。このブログを通して、もっともっと情報を発信していこうと思いました。
ということで、ぜひ関連記事も読んでみてください。