デイサービスの取り組み−パーキンソン病。でも、もう一度、自転車に乗れるようになりたい−

●難病との闘い

 「自転車に乗れない生活なんて考えられないよ!」そう仰られるのはパーキンソン病という難病を患いながら一人暮らしをしているOさん。パーキンソン病とは進行性の変性疾患で、安静時振戦や筋固縮、無動、姿勢反射障害などの症状を主な特徴とする原因不明の難病。
 その難病と約25年もの間戦い続けてきたOさん。「症状が出た時は何もできない。歩くこともままならないよ。本当大変だよ。」と日常生活に支障をきたすほどの不安を常に抱えていることをお話していただきました。
 そんなOさんが2020年11月下旬、ケアマネージャーの紹介でリハビックスにやってこられました。リハビックスに通所する前は約4年間、入退院を繰り返していたそうです。ようやく症状が安定し、退院後に一人暮らしを始めたものの、体力の低下が顕著に。人と交流する機会もなく引きこもる生活が続いていたため、体力向上を目的にリハビックスへの通所が決まりました。

●訓練は実践的に

 Oさんの目標を聞くと、「もう一度自転車に乗れるようになりたい」でした。若い頃、自転車のレースに出場したり、職場まで毎日30キロの距離を自転車を漕いで通勤したりしていたOさんにとって、自転車は生活する上でなくてはならない存在でしたが、難病の影響で自転車に乗れていない状況に落胆していました。
 そんなOさんの目標を叶えるべく、スタッフと話し合い、自転車を購入する前に体力と持久力の向上を図るバイク運動やトレッドミルでの歩行訓練を行うことにしました。  
 徐々に自信を付けていったOさん。自転車を購入後、リハビックスの駐車場で自転車の乗り降りの訓練から始め、ハンドルを切りカーブを曲がる練習、短距離での走行練習などを行い安定した自転車走行が可能になっていきました。

●趣味のバードウォッチングを

 自転車に再度乗れるようになったOさん。活動範囲が徐々に広がりをみせます。これまで徒歩で行っていた近所のスーパーまで自転車で出かけるようになり、約4キロ離れた公園までサイクリングができるようにもなりました。

 そして、長年できていなかった趣味のバードウォッチングまでもが再開できるようになり、以前よりも充実した生活を送っているとの嬉しい声を聞けるまでになりました。

●環境の変化が生活の質を変える

 リハビックスに通い出しての一番の変化は、身体的な変化よりも精神的な変化の方が大きいと話すOさん。手品を披露したり、冗談を言ったりなど人と話すことが好きなOさんにとってリハビックスは職員との交流や同じ病を抱えた利用者さん同士で悩みを共有できる場にもなっています。

●アメリカに行ってみたい

 難病と向き合いながらも目標である自転車に乗ることができたOさん。今後の目標について聞くと、「もっと自由に生きたい。いつもお世話されてばかりだから、自分から分け与えられる人になりたい。もっと体力をつけてアメリカに行ってみたい!」とのびっくり発言が。「もちろん、アメリカに自転車も持っていきますよね?」との問いかけに、「もちろんだよ!」と笑顔をみせるOさんの瞳の奥はいつも以上に輝いていました。
 最後になりますが、Oさんのサポートを通してスタッフ一同多くのことを学びました。今後もOさんの活躍に期待しつつ、次の目標に向けて取り組むべき課題を一つ一つクリアして、解決へ向けた支援を一緒に模索していこうと思います。


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