【開業】デイサービスを開業する場所と規模の決め方!経営者必見です!

こんにちは、てっぺいです。今回はデイサービスをやりたいな!と思っている人が一番最初にやるべきことについて記事にしたいと思います。「いつか・・・いつか・・・」と思っている人は「いつか・・・いつか・・・」で終わってしまいますので、この記事を読んでちょっとだけ行動してみてください。必ず光が見えてきます。

内容

1、まずはデイサービスの規模とエリアを決めて指定権者へ
2、地域密着型デイサービスと通常規模型デイサービスでの基本報酬の差
3、地域密着と通常規模でのコストの差
4、まとめ

僕自身、12店舗のデイサービスを運営や他施設開業のアドバイスもしてきましたが、これまで痛い目にもあってきましたので、その辺りも交えながらお話しできればと思います。

1、まずはデイサービスの規模とエリアを決めて指定権者へ

まずやるべきことはどのぐらいの規模=定員でスタートするか?ということです。「えっ?!物件の広さで決めれば良いんじゃないの?」と思ったあなた!さすがです!確かにそうではあるんですが・・・その前に決めておいた方が良いのは「地域密着型のデイサービス」をやるか?「通常規模のデイサービスをやるか?」です(もちろん両方の可能性をもって進めるのも有りです)。

では地域密着型か?通常規模か?によって何が変わると思いますか?

(正直な話、僕自身は大規模のデイサービスをオープンしたことがないので、この記事では一般的に開業しやす規模を想定して話を進めていきます。)

では、スタート!

まず押さえておきたいのがこちら。

地域密着型→市町村が指定・監督を行うサービス
通常規模型→都道府県・政令都市・中核市が指定・監督を行うサービス

つまり、地域密着にするか、通常規模にするか?で窓口が全く異なります。例えば、沖縄県浦添市でデイサービスを開業するとして、地域密着型でやるなら窓口が浦添市となり、通常規模型でやるなら沖縄県が窓口になります。ただし、那覇市のような中核市の場合、地域密着型であろうが通常規模型であろうが那覇市が指定権者となるので窓口は1つということになります。

と、ここまでは分かりやすいと思うのですが、問題は次。指定権者へ一本電話を入れてみてください。「○○市でデイサービスを開業しようと考えているのですが・・・」と。実は僕は過去に大きな失敗をしています。

失敗①

これは鹿児島県霧島市で地域密着型のデイサービスをやろうと思った時の話です。すごく良い物件も見つかり、不動産屋さんとも契約の話を進めていました。ある程度のOpen日も決まり、物件の申込書を記入・送付。さて、そろそろ霧島市へ事前協議にでも行こうかと思い窓口へ。すると衝撃的な事実が。

もちろん僕もそんなに馬鹿ではないので、事前にHPのチェックはしました。で、このページがしっかりあるのは確認したのです。

地域密着型の指定申請について→こちら
総合事業の指定申請について→こちら

このサイト見たら、誰だって普通にオープンできると思うっしょ!
*いまだにそのままにしている役所はマジで有り得ないと思っています。

そうです!窓口に行ったら「現在、通所介護は飽和状態なので指定を出していない」と言われてしまったのです。いわいる総量規制的なやつです(厳密には「市町村協議制等による指定拒否」です)。ちなみに、競合調査もある程度してまして、僕らのやるリハビリ特化型のデイサービスはまだまだ不足感があるんじゃないかとジャッジをしておりました。

とはいえ霧島市が指定を出さないとなればどうしようもありません。が諦めてはいけません。それならそれで次の手です。地域密着が出せないなら通常規模でやるまで。沖縄ではこの作戦で出店できていたので精神的にはまだまだ余裕あり!ということで鹿児島県へ電話。すると、「指定を鼻っから拒否するつもりはないんだけど、まずは霧島市さんに通所介護が必要かどうかを確認してきてください。霧島市さんのOKがないと県として指定は出せない。」とのこと。法的根拠は?などの話をしましたが結論は変わらず・・・霧島市へ。半分諦めながらでしたが、当然ながら、デイサービスは必要ないとのジャッジでOKは出ず。万事休す。

不動産屋さんへ謝罪の電話を入れ、霧島市でのデイ開業を断念。素晴らしい物件はその後、飲食店へと変わっておりました。

このようにそもそも通所介護の指定に制限がかかっている地域は多々あります。ですので、まずは指定権者へ電話して欲しいのです。ちなみに下記は四日市市のHPから抜粋したものです。めちゃくちゃな丁寧ですよね。

通所介護の指定制限の実施について

ここまで書かれていたら・・・無駄な時間を使わなくてよかったのに・・・という失敗例です。指定拒否に関しては日本通所ケア研究会のHPが分かりやすいのでぜひご覧ください。

自治体による総量規制
失敗②

沖縄県読谷村で地域密着型のデイサービスをオープンしようと思った時の話です。良い物件が見つかったので指定権者である沖縄県広域連合へ出向くと、「公募制です」とのこと。公募制?ん?

ということでHPを調べてみると、公募要項を発見。こんな感じで掲載されています→こちら

公募制の場合①:下記のように公募期間が決められています。

読谷村公募期間

つまり、好きなタイミングでOPENができません。例えば、良い物件が2月に見つかったとしても8月の運営委員会以降ではないと指定が降りないので、9月とか10月のOPENになっていまします。ということはですよ・・・良い物件の場合、契約をしないと他の会社に取られちゃうかもしれません・・・が、OPENは先になるので、通常よりも空家賃の期間が長くなってしまいます。

公募制の場合②:審査を通過しなければならない。

デイサービス公募制

公募制の場合、運営委員会による審査がありますので、それをクリアしなければなりません。また、複数の事業所が応募してきた場合、勝負!ということになります。例えば、上記表の地域密着型通所介護の南城市は事業所数が1となっていますので、2事業所から申し込みがあったら1つは落選するということになります。この辺が難しいところで、出店できるか分からない状況下で物件の契約もし、内装もスタートしなければなりません。

僕らの場合、勝つ自信があったので応募しましたが、実際に決定の通知をいただくまでは、とてもヒヤヒヤしたのを覚えています。

一点、大切なことをお伝えします。それは、公募制になっている地域はチャンスでしかないということです。例えば、南城市の地域密着型通所介護が募集1ということは、最後の1枠に入り込めれば、今後、新しいデイサービスが作られることはないということなのです(現に、僕らがオープンした読谷村は、僕ら以降、公募数0が続いています)。そんな業界はありませんよね。これ以上、この地域にはラーメン店はできませんって言ってるようなもんなので。そして、もう1つ大切なのが、1ということは市町村が「人口から換算するともう1つぐらい必要だよね!」っていう判断をした=マーケット的にもGOODということなのです。ですので、公募制の地域で良い物件が見つかれば、是が非でも出店したいと僕らは思っています。

ここまで読んだ方は、まず何をするべきかお分かりになりますね。そうです。出店を希望するエリアの指定権者・担当部署へ電話してみてください。「○○市でデイサービスを開業しようと考えているのですが・・・」と。光が見えてきます。

おまけ・・・地域密着か通常規模かを決める上でとても大切なのが送迎エリア。例えば、浦添市で地域密着型のデイサービスをOpenした場合、(基本的には)隣接する市町村在住の利用者さんは通うことができません。極端な話、浦添市と宜野湾市の境目が出店場所であれば、(僕らの場合)通常規模1択となります。この辺は要注意ですね。

2、地域密着型デイサービスと通常規模型デイサービスでの基本報酬の差

1の結果、地域密着でも通常規模でも出店できるなら、次に大事なのが報酬とオープニングスタッフ数です。つまり、売上とコスト(コストに関しては3で話します)。

まずは介護報酬です。僕が正しい数字を把握するために使っているのは介護給付費単位数等サービスコード表です。ただし、ネットで「介護給付費単位数等サービスコード表」と検索すると、いろんな年度のコード表が出てくるので注意してください。*介護報酬は3年に一度見直しがあります。

参考までに令和3年4月施行版のURLを貼っておきます。
地域密着型通所介護→こちら
通常規模型通所介護→こちら

では比較していきましょう。今回は3時間以上4時間未満で比べてみます。

こちらが地域密着↓

地域密着型通所介護の単価

こちらが通常規模↓

通常規模型通所介護の単価

そうです!地域密着型の方が単価が高いのです。どのくらい違ってくるのか?例えば、要介護1の場合、差額が47単位。1単位10円として470円。週2回来るとして月間8回。470円×8回=3760円の差。僕らの場合、要介護の利用者さんが40人ぐらいいるので、3760円×40人=150,400円の差が出ることになります。同じサービスをしているのにですよ。個人的には、この辺が介護業界の面白いところだと思ってます。

じゃあ、地域密着1択じゃん!ってことなんですが、次に考えないといけないのが定員。地域密着の場合、最大定員が18名。どんなに施設が大きくてもそれ以上の定員にはできません。

シミュレーション(月曜日から金曜日まで営業。月間の営業日数が21日。サービス提供時間6時間)
・定員18名(地域)→21日×18人=378人×6,760円(要介護1の単価)=2,555,280円
・定員19名(通常)→21日×19人=399人×5,810円(要介護1の単価)=2,318,190円(-237,090円)
定員22名(通常)→21日×22人=462人×5,810円(要介護1の単価)=2,684,220円(+128,940円)
・定員24名(通常)→21日×24人=504人×5,810円(要介護1の単価)=2,928,240円(+372,960円)
・定員26名(通常)21日×26人=546人×5,810円(要介護1の単価)=3,172,260円(+616,980円)
*本シミュレーションは加算等を一切含んでいませんので、その点はご注意ください。

このように通常規模の場合、施設の広さにもよりますが、定員をドンドン増やしていくことができます。当然、定員を増やすことで売上はアップしますので、物件が広い場合、通常規模もありありですね。注意:延べ利用者数が増え続けると通常規模から大規模となり基本報酬単価が下がります。

3、地域密着と通常規模でのコストの差

続いてコストについてです。地域密着と通常規模では定員が変わりますので、それに伴って、必要なスタッフ数と送迎車の数が変わってきます。逆に言うと、それ以外の販管費に大きな変化はありません。

(大きく)変わるコスト→人件費・送迎車関連(燃料費・維持費・保険料等)

ということで、やはりデイサービスを運営する上において最も大きいのが人件費ですね。基本的には定員が5人増えるごとに1名づつ追加ぐらいでシミュレーションすれば良いと思います。つまり、定員が19名と20名では従業員が1人増えるから30万ぐらいはコストアップだよね(給与20万の人を採用したら法定福利費等で30万ぐらいはかかる)!てな感じです。ですので、定員を20人にするなら24人した方が良いと考えています。何度も役所へ手続きするのもめんどくさいですし。

その他、目に見えない部分として、地域密着型で定員が埋まってしまうとケアマネさんからの紹介を断らなければならないこと、ギリギリのスタッフ数で運営するよりは余剰人員がいた方が良い組織状態を作れるなども忘れてはならない部分だと思います。

4、まとめ

いろいろな選択があると思いますが、僕がベストだと思っているのは、

①定員10名の地域密着デイをスタッフ3名でスタート。
②1日の利用者数が7名ぐらいになってきたら、スタッフを1人増やして、定員15名の地域密着デイに変更。
1日の利用者数が12名ぐらいになってきたら、スタッフを1人増やして、定員18名の地域密着デイに変更。

これ以降は状況を見ながら判断。施設に十分な広さがあるのであれば、最終的にはスタッフ7〜8名で定員24名の通常規模まで持っていくのがベストかな〜と現時点では考えています。

最後になりますが、デイサービスの出店は今後も非常に厳しくなっていくと思います。直近、僕たちは宮古島での出店を検討しましたが、「もういっぱいだから指定をおろさない・・・」と言われてしまいました。こういった事例はどんどん増え続けるでしょう。が、まだまだ高齢者は増え続けますし、ビジネスとしてはチャレンジする価値がある分野だと思っています。少しでも挑戦したいと思っている人は一歩踏み出すことをお勧めします。応援しています。

以上です。最後までお読みいただきましてありがとうございました。

*デイサービスを開業するまでの流れはこちらにまとめてあります。もしご興味があればこちらもご覧ください。

2件のコメント

那覇市のリハビリデイサービスにて、機能訓練指導員しているものです🙇‍♂️かなり参考になりました🙇‍♂️ありがとうございます。小規模でデイを検討しております。妻も社福もっており、最初は家族経営でしていこうと思ってます。立ち上げセミナーおすすめありましたら教えていただきたいです🙇‍♂️

コメントありがとうございます。立ち上げセミナー、なかなかないんじゃないですかねー。フランチャイズのセミナーに参加するのはもしかしたら役立つかもしれません。
ちょっとしたことであれば僕でも力になれるかもしれませんのでご連絡ください。

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