こんにちは、てっぺい(@teppei_bestlife)です。いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
さて、「2024年といえば?」と聞かれたら皆さんは何と答えますか?(介護事業に携わっている方であれば全員が同じ回答かと・・・)
そうです!介護報酬の改定ですwww
介護報酬の改定は3年ごとに実施され、前回が令和2021年4月でした。ということで、次は2024年。しかも、今回は、2年ごとに改定される診療報酬と重なるタイミングで注目を集めています。前回の報酬改定に関してはこちらの記事が分かりやすくまとまっているので参考にしてみてください。
そんな2024年の改定で注目を集めているのが、デイサービスと訪問介護サービスを組み合わせた新サービスです。
僕たちは、現在、沖縄と鹿児島で13店舗のデイサービスを運営していますし、2023年に訪問介護事業もスタートしましたので、この動向は非常に気になるところ。今後、議論が進む中で全容が解明されると思いますが、その前に・・・本件に関して、勝手に個人的に思うことを書いてみようと思います。
- 「通所 with 訪問」なのか?「訪問 with 通所」なのか?
- なぜこのような新サービスが生まれようとしているのか?
- 僕は新サービスをやるのか?
- 求められる人材とは?
- 新サービスを展開する上で使える助成金とは?
①「通所 with 訪問」なのか?「訪問 with 通所」なのか?
本件をネット検索すると上記記事にように「訪問+通所」という記載になっており、なぜ「通所+訪問」ではないのか?という部分が気になってしまいます。だって、世の中の訪問介護事業所が通所サービスを行うことなんて不可能だと思うんです。スペースがないんですもん。このためだけに場所を借りて人員確保するなんてあり得ないと思うんですよ。ですので、この新サービスに取り組むのはデイサービスを運営している事業所1択(間違ってたらごめんなさい)。「通所 with 訪問」です。
では、訪問介護事業所(ヘルパーステーション)は必要なくなるのか?というと決してそういうわけではなく、より重度の方のケアを担うのがヘルパーステーションになっていくんだと思っています。重度訪問介護なんてまさにです。喀痰吸引など高いスキルを持ち合わせたスーパー介護福祉士が訪問看護や訪問診療などと連携して医療依存度の高い人を在宅で看る。まさにワンランク上の介護福祉士が誕生する時代になると感じています。ですので、ヘルパーステーションに勤める介護福祉士は今からスキルアップを目指して研修等に参加することをお勧めします。
介護・福祉・医療の資格情報サイト『シカトル』

↑こういう研修はぜひ積極的に受けた方がよいのではないかと考えています。
②なぜこのような新サービスが生まれようとしているのか?
話をもとに戻しましょう。では、次に、なぜこのような新サービスが生まれようとしているのかを考えてみたいと思います。
理由①:ヘルパー不足の解消
一番の理由はこれでしょうね。つい最近もこんな記事が出ていましたし。

令和5年5月24日に行われた第217回社会保障審議会介護給付費分科会の資料を見ても、これから介護の必要な人は増え続け、特に都心部であれば2040年まで増え続けます。ということはこのヘルパー不足問題はより深刻になるのは必然。これまでも処遇改善を図るなど取り組んできましたが、抜本的な解決にはならなかったのでしょう。
そこで目をつけたのがデイサービス職員を訪問に!という考え方。理にかなっていると思います。
理由2:事業所の大規模化を図りたい。
理由の2つ目に事業所を大規模化したいという国の狙いがあるのではないかと思っています。介護業界は事業者全体の約4割が1法人1事業所の小規模事業者の集まり。この小規模事業所の弱さがコロナ時代を経てより顕著になってきたのではないかと感じています。端的にいうと「危機に弱い業界」。
僕自身、沖縄で12店舗のデイサービスを運営する会社の役員ですが、鹿児島でも1店舗のみ別会社で運営しています。この両方の経営を見ていて、その差は明らかです。従業員が1人コロナに感染するだけで事業所を閉めなければならない小規模事業所。これでは公的なサービスを永続的に提供し続けることは難しいと素直に思います。さらに、規模が拡大すれば、一般的にはスケールメリットが働き、コスト削減・運営の効率化・生産性向上も期待できます。
だからこそ、この新サービスは小規模事業所にとってチャンスだと思っています。デイサービスは定員が決まっている以上、人員を増やすことは難しい。でも、「訪問もやっていいよ!」ということであれば費用をあまりかけずに売上を伸ばせる。企業規模を大きく出きます。このチャンスを掴めるか掴めないかはとても重要!?なのではないでしょうか。
【この新サービスは実はコロナのおかげで出来た?!】
まだまだ数年前のことなので記憶に残っているかと思いますが、コロナ蔓延によるデイ利用者の利用控えが進みADL低下が心配される中、「コロナ禍における柔軟なサービス提供のあり方」として訪問や電話サービスという臨時的な対応をするよう通達がありました。そして、私たちは、その通達をベースに”デイサービスでありながら訪問する”というサービスを実行し、それができる得ることを実証しました。それが新サービスのアイデアになったのではないかと密かに思っております。
③僕は新サービスをやるのか?
ここまで読んでいただければお分かりかと思いますが、僕はこの新サービスにぜひチャレンジしたいと思っています。ヘルパー不足に寄与する社会的に価値がある取り組みだしね。
それにデイサービスって実は人員をうまく使いきれていないと思っているんですよね。僕らのデイサービスの場合、利用者3人に対してスタッフ1名っていうイメージだから定員18人であればスタッフは6名採用しています。でも、実際18人全員が来る日ってほぼないんだよね。

これは先月のある店舗データ。この店舗、もう新規の受け入れはできないぐらいパンパンなんだけど、見て分かる通り、実際の稼働率は78%ぐらい(初日は台風の影響でお店を閉めました)。ちょっと勿体無いよね。
そして、この新サービスをやりたい理由がもう一つあって・・・
僕たちはデイサービスを通して「利用者の心身機能、活動、参加の3つへ働きかけ“暮らしの質”を高め、プラスαで、ご家族の介護負担軽減も図っていきたい」と思っているし、それを期待されていると思う。デイサービスだけをやっているとデイサービスに来ること自体が目的となってしまい、このことを忘れてしまっているのではないだろうか。こういった観点からデイサービスの職員が頻繁にご自宅へ訪問できることは非常に価値がある。
要介護状態になっている方が自宅で暮らしている中で、何に困っているのか?普段の生活で誰のどんな手を借りているのか?まさに“暮らし”が見えてくると思う。そうなると、デイサービスでのスタッフ同士の会話が変わり、機能訓練が変わるのではないかと感じている。
だからこそチャレンジしたい。
④求められる人材とは?
この新サービス、当然ながらこれから人員配置などの要件が出てくると思うが、訪問に行くメンバーにきつい縛りがつくとは考えにくい。なぜならヘルパー不足を解決したいわけなので、そこに高い資格要件などを設けては本末転倒。ということで、おそらくではあるが無資格者でもOKみたいな形になるのではないかと思う。こうすることで仕事を引退した60代、70代の方々の再雇用にもつながるしね。ってか、料理や掃除なんかは僕なんかがやるよりも、母ちゃんがやった方が絶対に美味いに決まってる。
となると問題になってくるのは、無資格者や訪問経験のない介護職員のスキルアップとなってくる。あくまでもお手伝いさんではないので最低限の介護スキルは必要でしょう。ですので、これから3月にかけて現職員のスキルアップ研修が必須。ということで、外部研修をうまく活用しながら、そして最終章で話す人材開発支援助成金を活用しながら、全スタッフが訪問サービスに対応できるようにしていこうと思ってます。参考までに外部サービスをいくつか載せておきますね。
●オンラインサービス

●無資格者には介護職員初任者研修を受講させようと思っています。

⑤新サービスを展開する上で使える助成金とは?
この助成金に関してはまた別記事を書こうと思っていますが、今回のように、デイサービスをやっている事業所が新しく訪問介護事業に参入するために研修を受けさせたい!という時に使えるのがこの人材開発支援助成金のリスキリングコース。

詳細はこちらの厚生労働省ホームページを参照いただければと思いますが、簡単に説明すると研修費用の75%と人件費の一部が助成されます。これマジですごいです。10万円の研修が2.5万円ぐらいで受けれるということなので。もちろん、いろんな要件がありますので、各労働局に内容の確認はしっかりとやるようにお願いします。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。他にもデイサービス関係の記事を書いていますのでよかったらぜひ!