●脳梗塞発症・・・
今回は脳梗塞を発症したことで心配をかけた娘さんに元気な姿を見せるべくリハビリを頑張ったI様をご紹介させて頂きます。令和2年7月、宮古島に帰省している際に体調の異変を感じ、ご自身で救急へ連絡。救急車に乗せられた時、隙間から見えた、娘さんの何とも言えない悲しそうな表情が今も忘れられないそうです。結果、脳梗塞を発症しており入院。同年12月に病院を退院しました。退院直後は訪問でのリハビリを行い、その後、自宅での生活が安定してきたので、外に目を向けるためリハビリ特化型のデイサービスであるリハビックスの利用が開始されました。目標設定の段階で「地元である宮古島へ行って娘に元気な姿を見せたい。そのためには、移動でエスカレーターを利用すると思うから、エスカレーターを乗り降りできるようになりたい。」という明確な目標を語られていました。
●訓練スタート
退院直後より訪問リハで屋外歩行を練習されていたので、リハビックスへ通い始めた時には安定した歩行ができていました。ただ、慣れない環境下では不安を感じることがあり、様々なシチュエーションで歩行する機会を増やしていく必要がありました。加えて、エスカレーターの乗り降りが目標なので、それを想定してタイミングよく一歩が出せるようにステップ動作の訓練を実施していきました。
結果、利用開始から数か月で、みるみるうちに歩行も安定し、実際にエスカレーターの乗り降りの練習をしていきたいとの話になりました。そこで、近隣のショッピングモールへ練習をしに行くことを提案し、実践訓練をスタート。最初は緊張の連続で、頭では分かっているにも関わらず違う足を出してしまうなど失敗もありましたが、乗った時にずっと止まっていると足が出しずらくなるということに気づき、待っている間は少し揺れるようにして重心を止めないようにするといった工夫をすることで安定して乗り降りできるようになりました。
1回目の挑戦で、「これはいける!」という感触をもったのか、次の日には宮古島へ行くための航空券を購入。宮古島へ行く覚悟を決め、エスカレーターの乗り降り訓練を継続していきました。
●なぜエスカレーターなのか?
本来であれば移動手段としてエレベーターや車いすという選択肢がある中で、何故エスカレーターが課題だと思っているのか?という疑問が僕達の中にありました。そんなある日、何故エスカレーターなのか?を語って頂くことができました。「車いすを使ったり、人に介助してもらったりして宮古島へ行くことはできると思うが、自分の力で宮古島に行けるように訓練することで、その後の生活に違いがでるのではないかと思ってエスカレーターを使いたいって伝えたんですよ!」と教えていただき、宮古島へ行くことだけでなく、その後のことも考えて目標設定をされていたのだということが分かりました。
●トラブルはあったけど・・・
ついにフライト当日。空港は思っていたよりも人が多く緊張したとのことですが、エスカレーターも無事に利用ができたようです。
ただし、ここでトラブル発生。空港の搭乗口が急遽変更になりバスでの移動に…。空港職員からは特別な車で移動できますよと声を掛けられるも、ここは悔しいからと意地をはってバスに乗り込むことに。バスの乗り降りは訓練していないので、ぶっつけ本番。降りる時、段差が高くて怖かったとのことでしたが、何とかクリア。無事に飛行機へ乗り宮古島へ。宮古島の家はベッドがないため、事前にご自身で注文し送っておくなど準備も完璧。到着後にはご自身でベッドの組み立ても行い、問題なく過ごせたとのこと。久しぶりの宮古島ということもあり、お子さんたちとの近所の散策、下地島空港での歩行練習、漁港で初日の出を見るなど、久しぶりに家族水入らずで過ごせたと嬉しそうに話されていました。
●次なる目標へ
今回、約5か月という短い期間で目標を達成されたI様。エスカレーターの乗り降りだけでなく、宮古島へ行った時に困らないよう前もって準備をしていたりと、達成時のイメージを鮮明に持てていたことが目標達成に繋がっていると感じています。目標を達成したI様は次を見据えておられ、やりたいことは沢山あるようです。その中でも娘さんと(ゴルフの)ショートコースを回りたいというのが強い希望。以前に娘さんへゴルフを教えていたようで、芝生などの不整地での歩行やスイング練習をしたいと話されています。私たちリハビックスのスタッフは、そんな娘さん想いのI様をこれからも全力でサポートしていきたいと思います。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございます。他の利用者さんの記事も下記にありますので、もしよろしければご覧ください。
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