●脳梗塞発症・・・
今回、ご紹介させていただくGさん。1年半前に脳梗塞を発症し、右上下肢に軽度麻痺が残りました。発症前は、公民館で踊りを習ったり、自治会活動を行ったりと活発的に社会参加され、また、母親や妹を介護したりと忙しい毎日を過ごされていたそうです。「まさか自分が倒れるとは思っていなかった」と振り返るGさん。退院後は自宅での役割が少なくなり、途方に暮れていたそうです。そんな中、また公民館に歩いていけるようになりたい、公民館で舞踊を習いたいという思いが強くなり、目標達成に向けデイサービスを利用することとなりました。
●リハビリ特化型デイサービス リハビックスへ
通所当初は、杖歩行でふらつきが見られたため、移動時には見守りが必要。レッドコードを使ったトレーニングでもふらつきが見られ、転倒リスクが高い状態でした。そのため、まずはマシンを使用した筋力強化訓練、レッドコードを使用したバランス訓練を中心に。その後、家事動作訓練も実施していきました。その結果、自宅において掃除・洗濯などの家事が少しずつ出来るようになり、目標達成に向けても順調に回復がみられてきました。
●突然の転倒…
順調に回復していたGさんですが、通所開始から5カ月経過したある日の夜、トイレに行こうとした際、後方に尻もちをつき転倒してしまいました。腰に痛みを感じたため病院を受診すると圧迫骨折と診断。安静の期間が必要となり、3週間程お休みに・・・。トレーニングしたいけど出来ないという我慢の時間が続きました。
●七転び八起き!
私たちスタッフは「また1からのスタートか・・・」「Gさんは落ち込んでしまうのではないか」と心配していましたが、通所の回数を週に2回から3回に増やし、Gさん持ちまえの明るさと根性でリハビリに奮起。通所開始当初、片足立ちは全くできず、Gさんの課題としてあげられていたバランス力の無さも、片足立ち15秒と劇的に改善してきました。
●いよいよ目標へ!
歩行時のふらつきが軽減し安定性は増してきましたが、次の課題としては、長時間歩行する能力をどうやって獲得するかです。公民館までの距離はおよそ500m。実際に外を歩くと150m程で足が重たくなり、右足を引きずる歩行になっていました。
そこで、まず初めに取り組んだことは、トレッドミルを使用した歩行訓練です。最初は5分。その後10分と時間を長くしていきました。また、屋外歩行訓練でノルディックポールを使用してみたりしました。が・・・歩行能力が中々上がらない状態でしたので、そもそも日常生活での活動量が少ないのでは?ということになり、自宅近くの公園で散歩をしてみてはどうか?と提案しました。
すると驚きの変化が現れました。普段、2〜3名で屋外歩行を行うと一番後ろを歩いていたGさんですが、公園での散歩を始めて以降、徐々に歩行のスピードが上がり、1番前を歩くようになったのです。話を聞くと散歩を毎日30分ほど行っており、体操をしたりすることもあるとの事。その成果は体力測定の結果でも数字に現れており、通所当初はTUG(3mの往復歩行)のタイムが23秒だったところから14秒と大幅に改善。現在は杖を使わず屋内移動が出来ている状態となっています。
●自分の足で公民館へ!
自信を取り戻したGさん。コロナの影響もあり、公民館でのサークル活動は中止になっているのですが、地域の方への弁当配布を行っていると聞き、公民館へ行ってみることにしました。無事、介助なしで行くことができ、区長さんや久しぶりに会うご近所さんと楽しそうに談笑されていました。
●ケアマネさんの声
自立支援への取り組みが素晴らしいなと感じています。またLINEを使って動画や写真の共有を行ってくれるので、とても助かってます。これからも良い支援をよろしくお願いします。
●新たな目標
次は自分で料理をしたい!と新たな目標について話してくれました。昔は天ぷら、酢豚を作るのが得意だったそうですが、今は脳梗塞の後遺症で右手にうまく力が入らず、なかなか料理が出来ていないということでした。今後は調理動作訓練も取り入れ、本人の意欲を引き出し、その人らしさを支援していきたいと思います。
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